プログラム
しまサポ(交通費助成対象)
【2024年12月】「出雲の山墾り」+αに参加しませんか?
【定員:5人】
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※必ずこのプログラムの詳細をご確認の上、お申込みください。
2024年12月のプログラム
開催場所:注記のない場合は、ダムの見える牧場
開催日について:1日だけ、半日だけの参加で構いません。申込みの際は参加希望日を明記ください。記載日以外でも活動や放牧酪農の手伝いなどあります。興味ある・気になる内容があれば、お気軽にお問い合わせください。
陽が弱り冬至を迎える月になりましたが、竹の林は少しあたたかいのです。山仕事に向いている季節は冬。そう、これからです。
【12月の予定】
12月21日(土)13時〜16時:次年度以降火入れ地候補地踏査、荒廃竹林伐開整備・藪払い。
12月28日(土)10時〜15時:荒廃竹林伐開整備・藪払い
12月29日(日)10時〜15時:荒廃竹林伐開整備・藪払い
★その他
☆美保関周辺民俗調査(運搬、山の道具)…火曜日を候補日として(美保関歴史・生活体験資料館)
☆図書館地域資料整理…月・水曜日を候補日として(雲南市内図書館)
☆旧阿須那村周辺・掛合町・飯南町民俗調査…日時未定
参加費:無料
服装・持ち物:肌は露出しない服装(半袖不可)、手袋や軍手など手を保護するもの、帽子やバンダナ等頭部を覆えるもの、斜面でも滑りにくく歩きやすい靴や長靴など
※「出雲の山墾り~竹の焼畑2024」は、島根大学の学生グループである里山管理研究会、奥出雲の団体である奥出雲山村塾、森と畑と牛と、放牧酪農を行うフィールド提供者・ダムの見える牧場、の5者を中心とする、複数の団体や研究グループが共同して取り組む事業です。
水源をのぞむ牧場を拠点のひとつとして
みなさん、初めまして。最初に簡単な自己紹介を水のお話から。
島根県東部をぐるりとめぐる斐伊川水系は、流域圏の暮らしを支える生命の水。その源をめざすように、日本海にそそぐ河口から、およそ90kmさかのぼると、雲南市・奥出雲町にまたがる尾原ダム・さくらおろち湖があります。竣工から10年ほどの新しいダムですが、そのダム湖を見下ろせる小さな丘陵に放牧酪農をしている場所があります。「ダムの見える牧場」といいます。
その牧場を拠点のひとつにあれこれしているのが、私たちのグループ、「森と畑と牛と」です。
メンバーは、牧場を経営する奥出雲の大石のほかは、木次、松江、東京、出雲……と住んでいるところも仕事もさまざまですが、みな個人事業主で食と関わる仕事をしているということが共通項です。
「○○のために△△をやっています」
と言い切るような活動を、私たちはしていません。
そもそも「私たち」の中に牛たちも入っているくらいですから、まずは「あれこれしている」くらいで、話をすすめます。
あれこれのひとつ、山墾りに来てくれる方を募ります
今回募るのがダムの見える牧場での「山墾り」。
やまはり、と読みます。開墾の墾をはるとよむのです。万葉集の時代にまでさかのぼる古語でして、墾の字をあててはいますが、はるとは、払、遙、原、そして春の語幹となっているように、はらいのけて、みわたせるようになることの義をもちます。
やまはりという言葉自体、辞書にはありませんし、定型的な方法はありません。わかるのは、そこに風景ができあがっていくことです。はじめて8年ほどたちますが、風景は少しずつ変わっています。竹で覆われていた丘は少しずつ開け、牛があがるようになりました。
牧場は放牧酪農の実践に取り組んでいます。放牧は開かれていることが特徴です。牛舎はありますが、牛たちは好きな場所で過ごします。車を路肩にとめて牛が草を食む光景を眺める人もいれば、毎日のように通りながら、日々の様子、季節の移ろいとともに眺める人もいます。風景をつくっているともいえるかもしれません。ただ、つくっているのは私たちだけではありません。
牛は日々、大地を踏み耕し、草を刈り(食べ)、ぷりぷりと肥料(糞尿)を撒いていきます。そのそばでは、人が竹を伐採し、積み並べたところへ火を入れて畑をします。火を入れることで、土壌に何十年あるいは百年眠っていた種子が目をさまし、目に見えるものも見えないものも、一心不乱に生きようとします。その中で、人も含めてお互いがかかわり合い、かかわり方を見出しながら、「あれこれ」するのです。
人にできることは、生態系が生まれ変わるダイナミズムのほんの少しです。この過程のなかでは、あたりまえながら、人も自然の一部なのですが、人にしかできない大事な役があって、それは全生命にとって「切り札」ともいえることです。そう、それが「火」であり、焼畑なのです。
もちろん、いまある風景をつくりだしたのは、過去数万数億年にもおよぶ空と大地と川、それらをめぐる水、雲のながれ。そして数万年前からこの土地に往来し、火を使いはじめた人の営みであります。風景をつくるということは、その営みのバトンを受け取り、培われてきた知恵を継承するということでもあります。
そう、これは、とてつもなく長い駅伝のたすきを受け取ってみませんか? という誘いにも似ています。「涙が出るほど美しい」風景が現れるのは、たすきがつながったとして100年後。最初の小さな森が姿をとりはじめるのが20年後でしょうか。
山墾り+αのαって?
あなた自身の、この場所とのかかわりのなかで見つけてくださるものがαだと思っています。
駅伝の例えからですと、走る人もいれば、応援する人もいるし、たまたまコースに落ちていた石を拾っていく人もいる、というように。
風景はみんなのものですし、その場所を大事にしたいと思う誰もがかかわれるもので、山墾りは放牧と同じように、開かれたものとしてあります。そうそう、風景は目に見えるだけのものではありません。夏の雨のあとの草の匂い、花の香り、木々の葉がこすれあう音……。障害者でも高齢者でも……この地上のあらゆる人、そして生きようとするものが、関係しあう場でありえます。
そんな山墾りー焼畑にとって一番大事なのは感性です。
より正確には、感性に信を置くことです。感性は人それぞれで、あなたの感性を研ぎ澄まさなければなりません。 そのためには、竹を切り、草を刈り、運び、積み、火をつけ、畑をなし、些少ながらも糧を得て、それを味わい、食し、自分の身体の一部となし、日々のなかで、鳥の声の移り変わりを聞き、風の向きをにおいを確かめ、土をにぎり、種をひろい、雨に打たれ、虹をあおぎ、獣や鳥や虫たちと駆け引きを試み、そのなかで、すべての生命とかかわりを見出していかねばなりません。
写真を撮りつづけたり、絵を書きつづけたり、詩をつくりつづけたり、あるいはある時間なにもしないでそこにいて風景を楽しみつづけたり、という在り方でもよいでしょう。ただ、年に一度、一時間でもよいので、いっしょに身体を動かしてみませんか。そんなお誘いが、今回の募集です。
より具体的には、出雲の山墾り〜竹の焼畑 2020−2024のウェブサイトなどをご覧いただければ、その時々の動きがわかるようにはしています。
牧場の手伝いや、図書館での資料整理、他の地域での調査などもありますが、「こういうかかわり方をしてみたい」というメッセージをいただければ、個別に対応します。
こんな方にオススメです
正直、どんな人に向いているかなど、まったくわかりません。ただ、話ベタだとか、不器用だとか、体力がないとか、難しい話は理解できないとか、なんだかそんな人が向いているような気がします。 だから、ここまで書いてあることを(がまんづよく?あるいは退屈まぎれにでも?)ひととおり読んで、「わからないけど、なんとなく、おもしろそうだ」と感じた方にすすめてみたい。 自分の弱さに自覚的であること、そして「私にはわからない」という姿勢が、ここには向いているのではないでしょうか。 1996年にノーベル文学賞を受けたポーランドの詩人、ヴィスワヴァ・シンボルスカは、受賞講演で、「私にはわからない」・・・
この詞を、「私は知っている」に抗する小さくとも強い翼だと語りました。(ノーベル財団ウェブサイトに原語と英訳があります。)
未知谷から刊行されている沼野充義訳のシンボルスカの詩集『終わりと始まり』には素晴らしい邦訳と解説が収められています。
よんでいると「山墾り」のことをうたっているのかと思うほどにとてもよくあいます。「可能性」の中にある次の言葉。
"葉のない花よりは花のない葉のほうがいい"
"明るい目のほうがいい、わたしの目は暗いから"
"星の時間よりも虫の時間のほうがいい"
あぁ、と心打たれるものがあるとしたら、そんなあなたにもおすすめできます。
山は平地とは違う価値基準が作動しています。山でなくてもそうですが、なにごともやってみなくてはわからないことですから、なんとなくではあっても、やってみようか、と見切り参加できる人にも、この場は開かれています。 そんなあなたとお会いできる日を、私たちも、牛たちも、あまたの生き物たちもたぶん、待っています。
このプログラムの詳細
- プログラム名
- 【2024年12月】「出雲の山墾り」+αに参加しませんか?
- プログラム内容
奥出雲町の「ダムの見える牧場」の未開拓山林(竹林)で焼畑を行いながら、森と牛と人がかかわり合う風景をつくっていきます。お子さん連れでの参加できる内容もあり。障害者の方(グループ)は介助者・保護者同伴を基本としますが、応相談。
- 募集期間
- 2024年12月9日~2024年12月27日
- 定員
- 5人
- 残りの募集枠
- 5人
- 開催日時
- 2024年12月10日~2024年12月29日
12月21日(土)13時〜16時
12月28日(土)10時〜15時
12月29日(日)10時〜15時
- 当日の持ち物
・肌は露出しない服装で
・タオル
・帽子やバンダナ等頭部を覆えるもの
・斜面でも滑りにくく歩きやすい靴や長靴
・手袋や軍手など手を保護するもの
- 注意事項
高校生以上は1名から参加可能。中学生以下が参加される場合、保護者同伴でお願いします。
- その他
興味ある・気になる内容があれば、お気軽にお問い合わせください。
このプログラムの集合場所
ダムの見える牧場
島根県仁多郡奥出雲町佐白529-1
オーナー情報
- オーナー情報
- 森と畑と牛と
- 活動目的
- ◆第一に、食べること。 山村で食べていくこと。食べることを楽しむこと。食べるものを野山からいただくこと。食べるものをつくること。食をともにすること。 そのために、古来そうであったように、多くのさまざまな人と、村と町と、そしてひろい世界とのつながりのなかで、地域固有の食文化を再びつくりだしていくこと。 ◆第二に、学ぶこと。 農林畜産等の一次産業を根底で支え続けてきた地域固有の伝承知を、エスノサイエンスをはじめ多角的枠組みのなかでとして捉えなおし、現代社会への適応と保全をはかりながら、学びの道をつくりだしていくこと。知行合一。行動と実践の中で学ぶものです。 ◆第三に、ケア。 cura(羅)とは心配する、気にかける、思いやるを意味するが、その根源的字義は「覚えている」こと、すなわち「共にあるというかかわり」です。いつだって「忘れない」ことであるとも。 この地に生きるすべての人、障害のある人、介護が必要な人、言葉が異なる異文化の人、多種多様な人々が、共に生き、楽しみ、学ぶ場をつくり出していくこと。 ●事業内容 1.焼畑を主とした荒廃森林・放棄地を再生あるいは管理する手法の研究、調査、記録、実践及びそれらに関する教材、資料の作成 2.人的資源の減少局面にある中山間地における新たな土地管理手法(水循環等も含めた環境資源の評価・管理を含む全体的生態系管理手法)の開発 3.奥出雲と類縁文化圏で消失の危機にある在来作物や草木利用文化を調査研究するともに、資源としての保全と生活の中での再生をはかる活動 4.上記の事業実践の場となっているダムの見える牧場とその周辺地域を拠点とした産業の振興と雇用の創出 5.地域固有の食文化を築き上げていくための社会教育活動 6.ダムの見える牧場を主として、奥出雲の自然を活かした教育プログラムの企画開発と実践 7.社会福祉に資するとともに上記事業を推進しうるような様々な取り組みの実践研究 8.上記の事業に関する広報、出版、情報交換、相談及び助言 9.焼畑や放牧酪農を主として、生態系管理と関わる生業に携わる他の諸団体・個人の事業運営又は活動に関する連絡、助言又は支援 10.前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
- 活動実績
- 2017年に活動を開始した7名ほどの小さなグループです。実績といえるものは乏しいのですが、以下にあげます。 ◆2022年の「出雲の山墾り〜竹の焼畑」 活動日数:91日 のべ参加数:160名 ※図書館蔵地域資料整理7回、民俗歴史調査4回含む ※「竹の焼畑」については、火入れの実績報告は、ウェブサイト日本財団canpan fieldの事業成果物で「竹の焼畑」で検索いただければ閲覧できます。 ◆書籍発行 『森と畑と牛とβ』2018年1月刊行 グループの機関紙として編集・発行しました。現在1号を編集制作中です。大正大学出版会発行の「地域人」第34号に「ローカルメディア力〜先人の知恵と実践をヒントに山村の暮らしを模索するメディア」として紹介されています。 ◆受賞 代表の大石亘太が、ダムの見える牧場を経営する個人として、農林水産省・内閣官房選定の第9回「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の37地区に中に選出され、2022年12月、優秀賞を受賞しました。「地域に開かれた、200年後も残る牧場づくり」として表彰されています。 ◆執筆・出版等 『焼畑が地域を豊かにする 火入れからはじめる地域づくり』実生社より2022年3月発行 メンバーの面代真樹が焼畑の活動について寄稿しました。書籍は、2022年の地域コンソーシアム賞の社会連携賞を受賞しました。焼畑実践は前身となる団体から数えて2023年に9年目となります。
- 活動への想い
- ウェブサイトに活動理念としてあげているものより引用します〜 《山ひだをぬうように農地と森林がひろがる奥出雲の山村地帯。数千年にわたる水循環と表土の形成は、人為による撹乱とも協調しながら、多様性に満ちた豊かな大地と清々しい風をもたらしてきた。 村を破らず川を荒らさず山を荒らさず真の文明を築き上げてきた先人の営為を思うとき、万感横溢するを禁じ得ない。 然るに現在、地域固有の在来作物や採集草木利用ならびにそれと連なる民俗文化はまさに消滅しようとしている。爺さんはいう「そういうことを知っとる婆さんらはみんないなくなった」。 千年を超える時と営為が培ってきた叢書的体系は朽ちていくのだろう。危機を叫び立て直しを煽る向きもあるだろうが、私たちは与しない。感謝を忘れず、備えを整えていかねばならぬ。 日々の暮らしのなかで。 生命現象における死は再生と同じ地平にある。より存在する為に複雑、多様化しつつ、時にはそれを捨てる。森は、殺したり殺されたり食べたり食べられたりしながら、精妙な共生の場をつくる力をもっている。 この場で人はなにができるのだろう。人は人にしかできないことで、森とつながるべし。 人は料理をする。ただ単に食べるのではない。石を研ぎ、言葉をかわし、火をつかい、場をつくりかえていく。 ここから、深く広がりのあるものを編んでいこう。迷えるときは先人の歩いた道が、夢にみる風景が、教え導いてくれることを信じよう。 そして、移行期的混乱の闇の中、先が見えない山村にあって、この場に集うひとりひとりが、小さくとも強く、暖かな灯りとなって、行方を照らし、美しい野山と人の世界をつくりだす希望となろう。》
- 団体HP、SNS情報など
- 担当者電話番号
090-7893-6024
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