活動レポート
美保関町発!サポーターと一緒につくり上げた音楽会
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合併20周年の節目に「風になりたい」を子どもたちと一緒に演奏したい
私たち松江市立美保関小学校は、島根半島の東端・美保関町にあり、北は日本海、南は中海や境水道、美保湾に面した場所。今も重要な文化財が残り、観光客も多く訪れる地域です。
現在、130名の子どもたちが在籍し、校区が広いため、多くの子どもたちがスクールバスで通学しています。

今年度、本校は美保関各地の小学校が合併してから20年目という節目の年。「学校を、そして地域をもっと盛り上げていきたい」そんな思いから、さまざまな取り組みを進めている中で、今回の音楽会に向けたプログラムも動き出しました。
10月10日(金)に行われる松江市連合音楽会には例年、高学年が参加。今年は、4年生にもこの「大舞台」を経験してほしいと考え、4〜6年生、約80名での参加を決めました。曲はTHE BOOMの「風になりたい」です。

ただ、80名を超える子どもたちに対して、音楽指導に携わる教員の数には限りがありました。音楽の学習経験にも差があり、中には6年生でも初めてふれる楽器を担当する子もいます。
「一人ひとりに充実した指導をしたい。でも、今の体制では難しいかもしれない・・・」。そんな不安を抱えながら、まずは松江市美保関支所へ相談しました。そこで紹介してもらったのが、「しまっち!」でした。

その後、定住財団の担当の方がすぐに学校まで聞き取りに来てくださり、これまでの事例やサポーターさんの様子などを細かく教えてくださいました。
実は過去に、別件で地元の大学生に応援を呼びかけたものの、市街地から離れている地理的なハードルもあり、なかなか人が集まらなかったことがあります。
そうした経験から、今回も「本当に来てくださる方はいるのだろうか」と、正直なところ半信半疑の気持ちがありました。

それでも、困りごとに直面していたからこそ、「ダメ元でも、まずはやってみよう!」と、「しまっち!」にプログラムを掲載することに。
サポーターと一緒に重ねた8回の練習。子どもたちの言動にも変化が!
「風になりたい」の合唱・合奏に向けて、サポーターのみなさんと一緒に行った練習は週1回、計8回。
実際に参加してくださったのは、県外を含む音楽経験者5名のサポーターさんたちでした。さらに、地域ボランティアとして、保護者を中心に約10名の方が加わってくださり、子どもたちを支える心強いチームができました。


募集をかけてすぐに、埼玉県から「帰郷の際に参加したい」との申し出がありました。そのほか、隠岐諸島で音楽指導の経験がある方、宮崎県からの帰省中に参加してくださった方など、県外からの応募も。
「美保関まで、わざわざ来てくださる方がこんなにおられるなんて」と、私たちは驚きと同時に、大きな励ましを感じました。


練習では、合唱や楽器パートごとに分かれて指導。
ピアノやキーボード、鉄琴・木琴、打楽器、人数の多いリコーダーなど、さまざまなパートに分かれ、サポーターさんが一人ひとりに声をかけながら、音の出し方やリズム、歌い方を丁寧に伝えてくださいました。


印象に残っているのが、昼食休憩の時間です。給食を食べながらサポーターさんを含め教えてくださる皆さんで
「次回はこんな練習にしてみましょうか」
「このパートはこうするともっと良くなりそうですね」
と、次の練習に向けた打ち合わせを、主体的に進めておられました。
その姿を目の当たりにして、「このプログラムを一緒につくってくださっているんだ」と、とても心強く感じた場面でした。

子どもたちの変化と、私たちオーナーの実感
今回の取り組みは、正直に言えば不安の大きい、ダメ元のスタートでした。それでも、いざサポーターさんに来ていただくと、外から知らない大人が来てくれたことが、子どもたちにちょうど良い緊張感を生んだと感じています。
週1回という限られた時間の中でも、回を重ねるごとに子どもたちの表情や姿勢が変わっていきました。
・音楽に向き合う姿勢が、目に見えて前向きになっていった
・練習から逃げ出す子は少なくなり、中には「自主練をしたい」と自分から申し出る子も現れた
こうした変化は、私たちにとって大きな驚きであり、喜びでした。

地域ボランティアとして参加してくださった保護者の方からは、「普段は本番の“結果”だけを見ることが多いけれど、今回は子どもたちの成長の過程を見ることができて、とても良かった」という感想もいただきました。
校内の教員からも、「音楽指導をサポートしてもらえて本当に助かった」、「例年は放課後に練習を行うのが当たり前になっていたが、今年は平日午前中の時間を音楽会練習に充てることができ、有意義に時間を使えた」といった声が上がりました。
子どもたちだけでなく、保護者・地域・教員にとっても、今回のプログラムは“みんなで音楽会をつくる”経験になったと感じています。

県内外から美保関町に集結したサポーターのみなさん
今回のプログラムには、県内外から音楽経験を持つサポーターさんが参加してくださいました。中には、美保関小学校の卒業生もおられました。
サポーターさんからは、次のような感想をいただいています。
- 「自分の母校に少しでも貢献出来た」
- 「とても楽しく有意義だった」
- 「小学生との接点はなかったので、楽しく新鮮だった」
- 「全部は参加できなかったけど、複数回参加することで子どもたちの成長を感じられた」
- 「地域に貢献できることを期待して参加しましたが、子どもたちの取り組みをサポートできたことに満足しています」


地元にゆかりのある方、遠方からの帰省のタイミングで参加してくださった方、教育や音楽に関わる仕事をしておられる方。
それぞれの背景は違っても、「子どもたちの挑戦を支えたい」、「地域に貢献したい」という共通の思いを持って、美保関まで足を運んでくださいました。私たちにとって、「しまっち!」を通じてこうした方々とつながることができたのは、大きな財産になりました。

オーナーからのメッセージ
今回のプログラムを通して、まず何よりもお伝えしたいのは、サポーターのみなさんへの感謝です。
サポーター5名のみなさんが、忙しい時間の中から時間をつくり、美保関まで足を運び、子どもたちのために指導をしてくださったことに、心から感謝しています。
指導の場面では、子どもたちに対して終始ニコニコと接してくださり、その姿からは「音楽の楽しさ」を自然と伝えてくださっていることが伝わってきました。私たち教員にとっても、子どもへの声かけや関わり方など、学ばせていただくことがたくさんありました。
今回の取り組みを通じて、
- 子どもたちにとって、音楽が少しでも身近で楽しいものになってくれたら
- そして、美保関町がこれから先も、「音楽のある町」として発展していってくれたら
そんな思いを持つようになりました。
最後に、今回参加してくださったサポーターのみなさん、地域ボランティアのみなさん、そして「しまっち!」を通じてこの出会いをつないでくださったみなさんに、改めてお礼を申しあげます。本当にありがとうございました!
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オーナー情報
- オーナー情報
- 松江市立美保関小学校
- 活動目的
- 本校は、10月にある松江市連合音楽会にTHE BOOMの『風になりたい』の合唱奏を行います。こどもたちはこれから、ピアノ、鉄琴や木琴、打楽器、リコーダー等のパートに分かれて練習をします。一人一人がやる気と充実感をもって取り組ませるために、できるだけ少人数で指導できる体制をつくりたいと考えています。
- 活動実績
- 毎年高学年が市連合音楽会に参加しています。今年度は、来年から市連合音楽会が休止になるかもしれないことを鑑みて、4年生も参加することにしました。総勢約80名での参加となります。
- 活動への想い
- 本校の子どもたちの強みは、元気よさです。それが県民会館に来られる方全員に伝わるような合唱奏にしたいと思います。 また、音楽が得意な子も苦手な子も輝けるような合唱奏にしたいとも考えています。この音楽会への練習、本番を通じて音楽のことを好きになってくれる子が増えてくれたら嬉しいです。 こうしたことの実現に向けてお手伝いいただける方をぜひ募集したいです。
- 団体HP、SNS情報など








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